そもそも価値観とは、いったい何なのでしょうか。辞書で調べてみるとこう書いてあります。
@価値判断の基準となる考え。
A人々の意識の根底にあって、個人または民族の行動を律し定める要因となるもの。(旺文社より)
価値観は、人それぞれ違うものです。人間は、この価値観をお互いが尊重し認め合うことで成長していきます。友人や夫婦間で喧嘩をしたり会社の同僚や上司、部下と対立(コンフリクト)することは、価値観の違いから発生することが要因の一部として考えられます。
そこで、今のあなたがどういった価値観を持っているのかを一緒に考えてみましょう。用意するものは、ボールペンと紙を4枚用意してください。紙は、無駄にならないように1枚を4等分にしましょうか。そして、以下に基本的価値観の例を挙げますので、その中からあなたが一番大切だと思うモノを4つ選択してください。そして、用意した紙1枚につき1つずつ書いてください。もちろん、以下の例の中に無いモノでも構いません。恋人でも良いでしょう。それでは、どうぞ!
経済的な安定 |
成長 |
忍耐 |
感謝 |
創造性 |
リーダーシップ |
精神性 |
勇気 |
貢献 |
尊敬 |
思いやり |
責任 |
改革 |
謙虚 |
成功 |
強い目的意識 |
信念 |
卓越性 |
誠実 |
冒険 |
楽しみ |
遊び心 |
根気 |
家族 |
教育 |
自由 |
寛大さ |
資質 |
忠誠 |
チームワーク |
健康 |
職業 |
良い態度 |
高潔さ |
バランス |
信頼性 |
4つ選択できましたか?それでは、ここからが本番です。以下の文章は、物語になっています。この物語は、自分に実際起きてしまった事件として読んでみてください。
あなたは、7日間の船旅を計画しました。初めての一人旅です。と言っても、船長はあなたのご友人ですが。
とても大きな豪華客船に乗って今日も優雅に過ごしています。今日は、出港してから4日目です。今日は、友人の船長と会話することが出来ました。話に夢中になりすぎたのか、いつの間にか日が暮れて辺りがすっかり闇に包まれています。「そろそろ部屋に戻ろうかな・・・。」と、あなたは思い、部屋に戻ろうとした瞬間突然、「ズドーン!!」爆発音のような音が聞こえてきました。
「何があったのか確認する。お前は、ここで待ってろ!」
船長の友人は、あなたにこう言ってあなたの前から姿を消しました。
15分後、友人が戻ってきてあなたにこう言いました。
「どうやら何かにぶつかってしまい、船底に大きな穴が開いてしまったらしい。沈没するのも時間の問題だ。」と。
あなたは、咄嗟に「どうするんだよ!助かる方法はあるんだろ!?」と言いました。
船長は、「救命ボートはある。しかし、人数に限りがあるんだ。」
「なんだって!?」
あなたは、ビックリしました。こんな大きな豪華客船にも関わらず救命ボートには、限りがあるそうです。突然、船長はこう言いました。
「お前が持っている価値観の内一つを捨てろ。そうすればお前の席は確保してやる。」
それでは、先程あなたが選択して書いた4つの価値観の内1枚を捨ててください。
よろしいですか?それでは続きをどうぞ。
「わ、分かった。これで良いか?」
「よし、ちょっと待ってろ。」
船長である友人は、一目散に走っていった。
何十分経ったでしょうか。船がかなり傾いてきました。船内の電気は消え、この船もあと数分後には沈んでしまいます。と、船長が血相をかいて戻ってきました。そして、こう言いました。
「残りの3つの価値観のうち2つを捨てろ!!そうすれば助かる!!」
はい、3枚の中から2つを捨ててください。
よろしいですか?物語は、ここで終了です。もちろんあなたがこの文を読んでいるということは、2つの価値観を捨てたわけですからあなたの命は助かっているはずです。
さて、船長の最後の言葉は、究極の指示だったと思います。最後に残った紙をご覧ください。あなたの価値観は、それです。それを一番大切に思っているということなのです。ここで要点をまとめましょう。
今の物語でやっていただいた内容は、あなたの価値観を定義することでした。そして、以下のことをやっていただきました。
@特定する
A優先順位をつける
B明確にする
あなたは、価値観を発見出来たと思います。発見できたら、次に人とのコミュニケーションを考えて生きましょう。自分にとって今何が大切なのか、今何をしなければならないのか。明確になるはずです。そして、対立(コンフリクト)の原因も分かるはずです。解決の糸口になれば、幸いです。
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